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かなり更新できていませんでした。作業はなんとか進めていて、直近3週間の動向は簡単にまとめると以下のようになっています。

・使用するアトラクターの進捗/予定総数。
12個 / 21 or 24個。
来週水曜までに24個揃わなければ21個になる予定です。

・Houdiniの制作用PCを更新した。
ガレリアの14900KF・RTX4090のPCを購入。約60万円の膨大な支出だったが制作環境が飛躍的に向上した。Karmaレンダラーのプレビューでは570ワットの電力消費となっていたが、ブレーカーが落ちないようレンダリングのタイミングには注意する。

・制作用PCの更新を受けてアトラクターの計算方法をVEXからOpenCLノードに変更した。
VEX使用時はFileCacheノードで形状を保存することが必要なほど計算に時間がかかっていたが、OpenCLノードに切り替えた後ではキャッシュは不要になった。
また計算リソースに十分な余裕が生まれたことから、粘菌の素材となる常微分方程式のアトラクターの計算精度(deltaTime)を1e-4から1e-5と10倍にした。それでもほぼリアルタイムに再生可能である。
ただしVEX特有の曖昧な関数の返り値の定義が一切許されなかったことで没となったり、動きが変わってしまったアトラクターもあった。主に外積や平方根を使用したアトラクターが使用不可能になった。
原因は平方根の内側がマイナスになる(実数でない数値を計算する)可能性があったにもかかわらず、何故か問題なく計算できてしまっていたため見落としていた。
OpenCLノードに変換したアトラクターは全て修正・対応済み。

・粘菌風の形状を都市の光として連想をさせるための都市オブジェクト群の生成アルゴリズムを作成した。
ゼミ展時に展示したVDBボリュームオブジェクトの作成に使用したPickoverアトラクターの数式を活用。アトラクターのアルゴリズムを使用して都市のビル群を自動的に生成できるほか、都市の活動を意味する室内灯の明滅も自動的に作成できる。詳細なディテールは未完成。

・カメラワークの自動作成ワークフローを設計した。
今まで見つけたものの中で没にしたアトラクターの軌跡なども含めて利用できるような、カメラワークの自動作成をするノードネットワークを使用可能にした。アトラクターのパスを入れ替えるだけでカメラの動きを切り替え可能だが、Transformノードで微調整する必要がある。

・展示用タブレットの購入。
現在はまだ全部は購入できていないが、使用予定のタブレットを購入した。
全4台のうち2台分の購入ですが、実際に実物を見てから残りの2台を購入する予定です。

・卒制委員:WEBサイト用データ収集用登録フォームの作成などバックエンドの担当業務を進行中。
自宅のPCに学科のサーバーとほぼ類似した環境をインストールして制作しています。PHPのバージョン違いによる使用不可能な関数にさえ気を付ければ「自宅で動く=学科でも動く」という状態に出来ているはずなので非常に助かっています。
現状一番手間取りそうなことはデータベースに事前に登録する必要がある項目の設定です。早くても丸1日はかかると思います。とはいえ学科内にデータベースを触れそうな人が一切思い当たらないので、エクセルを使用するなどしてコピペだけでどうにかなるようにします。

・卒制委員:アルバム用データ収集フォームの作成。

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長いので飛ばしながらでかまいません。
現在準備完了している12種のアトラクターの見た目と、都市生成アルゴリズムと組み合わせる構成方法の確認です。

こちらは都市生成の乱雑さをいじってみたり動かしている物です。

こちらは都市生成アルゴリズムがどのようにしてゼミ展の時のオブジェクト(ミルフィーユ状のキューブのような物体)を利用しているかの動画です。
簡単に言えばキューブを任意の高さでスライスした際に生まれる『断面』を利用しています。
それを高さで倍にしたあと、ceil関数で小数点以下の切り上げ処理をすることでそれぞれのビルの高さだけ点を増やしています。

カメラワークの自動生成ワークフローの様子です。アトラクターを増やせばバリエーションも増えるほか、
複雑な軌道のうちのどこを使用するかでも変わってくるので手数はいくらでも増やせますが、その分微調整の量が増えます。

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芸祭休み期間中の私の様子は以下の通りです。

芸祭休み一週目は卒制委員の仕事をやってました。というのも家族経由でインフルエンザにかかってしまったこともあって、それまであまり進められていなかった卒制委員のフォームの作成を集中してやっていました。ちょうど芸祭開幕日に症状が始まってしまったので一度も参加できていません。今年は例年と異なり、かなり盛り上がっていたそうだったので残念です。

二週目は引き続き症状はありましたが軽くなってはいたので卒制委員のことを進めながら、調子が良かったらアトラクターを何個か探してみるという事をしていました。とはいえあまり面白い形にはなりませんでした。

芸祭明けに卒制をメインで進めていて、上記の都市のアルゴリズムを考えていた他にアトラクターを探すなどしていました。

そして今週で都市のアルゴリズムが完成して、カメラワークの自動作成ワークフローも整えました。ビルの形状を作成する必要はありますが、レゴブロックを重ねるような配置のコピーを想定して生成できるようにしてあるのでとても時間がかかるという事は無いと思います。ビル自体は主役ではないという事もあるので作り込みの優先度は低いです。

残りのタスクは
・アトラクターの数を揃える
・カメラワークの微調整
・レンダリング
・アトラクター展示ボード用データの作成
・プロセスドキュメント作成

予定
・11/22〆 アトラクターの数を揃える・ビル群の詳細な形状を作成。
・11/24〆 使用を予定するカメラワーク全ての微調整を済ませる。
・11/25~ レンダリングを始める。レンダリングの待ち時間中にプロセスドキュメントや展示ボードのデータを作成する。

現在はオブジェクトが出そろっているわけではないので正確な時間ではないのですが、この画像の状態ではフルHDのレンダリングでも1フレーム8秒ほどでした。

240(フレーム)24(個数)2(カメラ数)*8(秒) = 92160秒 = 25.6時間ほどです。粘菌形状の作成に必要な計算が少し時間がかかるので、それを加味して24秒ほどかかると考えると77時間ほどではないかと思われます。

この記事は以上です。